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2009年6月29日 (月)

ずっと友達。

今から10年ほど前。甲府の町も 11月の夜はとても冷え込んでいたらしい。

ある珍しく暖かな夜、段ボール箱にへその緒のついた6匹の子犬が捨てられてた。

一番弱っていた1匹は間もなく息絶え、4匹のおとこのこと1匹のおんなのこが残った。

縁あって 横浜の里親の会にゆだねられ 譲渡会に出たのは生後60日頃だった。



K子ちゃんは前の犬を亡くして もう犬は飼わないと決めていた   ハズだった。

ところが何を思ったのか 急に譲渡会に出かけ この子犬たちに出会ってしまった。

一匹のおとこのこに目が行き 気に入ったのだが すでに『売約済み』。

ふ と見ると その横に なんだかイジケたおんなのこ。

K子ちゃんは このおんなのこを引き取ることにした。 

ただ『見に行くだけ』のつもりだったのに。



その後 最初に気に入ったおとこのこがキャンセルになり、2匹どうかと勧められたけど

K子ちゃんは おんなのこだけを育てることにした。

名前をつけなきゃ。  おんなのこっぽく 『チェリー』にしよう。



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・・・・・・こりゃ『チェリー』って顔じゃねぇよ。。。

この子が来た日にすぐ対面したワタシは思った。 言わなかったけど

翌日 正式にこの子は命名された。



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モモ。

こっちの方がイイと思って。。。 とK子ちゃん。

そーだよ。モモの方が合ってるよ。 あーよかった




モモは元気に育ってくれた。

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かわいいモモ。 ちょっと人見知り たくさん犬見知り

なかなか知らない人と仲良くなれなかったけど 沢山の人に可愛がられた。

特に しょっちゅうお散歩に行くワタシのことは、きっと「親友」と思ってくれてたと思う。 

大熊のことも大好きだった。たまにしか会わないクセに ジャンプして大喜びしてたっけ



この冬、K子ちゃんのお家を建て直してた時は ウチの近所に仮住まいして

毎日お散歩に行った。 寒かったのにモモはお散歩大好き

シッポを千切れんばかりに プロペラのようにぶんぶん振り回して喜んでた。


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お散歩は好きだけど 写真はあんまり好きじゃないみたいだったね



「まぁ かわいい。とても10歳には見えないですね。毛並みもキレイだし。」

褒められると すっごいうれしかったのは  連れてるワタシだった。

「若作りなんですよー」  なんて言ってしまったけど。




K子ちゃんのお家が出来て 元の場所に帰って行って 少しした頃から

なんとなく モモの様子が変わった  と思ったのは 後になって思えばのことで

その時何か感じてたら・・・ と思ったら 一番かわいそうなのはモモになってしまう。



ある日 モモが庭先の段差を踏み外したらしく、後ろ足の靭帯を痛めてしまった。

ついでというか何というか 血液検査をしたら  結果が良くなかった。

ステロイドの投与が始まり、一度は改善の兆しが見えたけど その後急激に悪化した。

今後の治療方法について 何か別の方法(他の病院とか)を考えていた矢先

モモが倒れた。

それが「心の準備」を記事にした前日。



夜遅くまで検査で病院に残っていたモモを迎えに行ったK子ちゃんを待っていたのは

悲しい現実だった。

末期の肺がん。しかも どこから転移したかわからない。



絶望のメールがK子ちゃんから友人に回されたのは そのすぐ後のことだった。



翌 26日の朝 ワタシはK子ちゃんとモモを見舞った。

昨日 病院に一緒に行った時はまだ歩いていたのに モモはもう立ち上がれなかった。

それでもワタシの顔を見て 懸命にシッポを振ってる。

指に水をつけたら舐めたので お皿から少し水を飲ませてあげた。

美味しそうに ペロペロ水をのんだ。

でも ワタシにはわかった。

モモはもうすぐお別れなんだ  って。



午後にも会いに行った。 息が大きい。 身体ぜんぶで息をしてる。

担当の先生がいる日だったから、夕方お店を閉めたら

一緒に病院に連れて行く約束をして モモを休ませてあげることにした。

「モモ。心配いらないよ。K子ちゃんが付いてるからね。ワタシもいるよ。

ワタシとモモは ずっとずっと友達だからね。 また後で来るね。」

モモの身体をさすって そう声をかけ 家に戻った。




それから数時間後 もう一度K子ちゃんちに行くにはちょっと早いかな と

時計をみて思った時 電話が鳴った。嫌な気がしたけど、信じたくなかった。

でも




逝ってしまった。




急いで駆けつけ K子ちゃんとF田さん(ワタシが呼んだ)と3人で

泣いて 泣いて 泣いて   泣きまくった。

親父が死んだ時でさえ泣かなかったワタシが 干乾びるかと思うほど泣いた。

大熊もすぐに会社帰りに寄って モモとお別れした。




モモの顔は 安らかだった。

息をしなくなっても 可愛さはそのままだった。

みんなに可愛がられた表情そのままだった。

もう苦しまなくていいんだ。 長患いにならなくて良かったんだ。

そう思わないと 一歩も進めない気がした。




不思議なことがいくつかあった。



モモが亡くなる数日前から、老人施設にいるK子ちゃんの母親と、

その妹さんが九州から泊まりにきていたから 前日 倒れたモモをすぐに発見できた。




その日 K子ちゃんの友人がいつもは使わない車で出勤して モモのお見舞いに来た。

彼女の使ってるバスが偶然ストライキをしたからだった。



その日、K子ちゃんの家で以前取ってたミネラルウォーターの営業さんがモモに会いに来た。

もう取引きしていないけど 急に会いたくなったから ってやってきたそうだ。



いつもK子ちゃんとモモがお世話になってるご近所のM森さんも その日会いに来てた。




モモは会いたい人を呼んだんだね。

言葉にはできないけど 気持ちを伝えたかったんだね。

みんな モモの気持ち ちゃんと受け取ったよ。





11歳になる少し前のアジサイの季節に モモは「いぬの国」に帰っていきました。

虹の橋を渡って。。。





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モモ。 いっぱいいっぱい愛をありがとう。

これからも ずっと友達だよ。







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コメント

モモちゃん、亡くなって残念です…
どうぞお気を落とさずに、モモちゃんの分も幸せに過ごしてください。

実家のウラに住んでいる、親戚の家のワンコちゃん(捨て犬でした)は
もとても元気なオトコの子でした。
今ではかなりの高齢で、寝たきりになっています。
ワタシにできることは、一日も長く生きてほしいと願うことしかできません。

残念ですが、彼らはワタシたちより後から生まれて、
ワタシたちの年齢をあっという間に超えてしまうんですね…

投稿: ぼの子 | 2009年6月29日 (月) 11:03

みんなに愛されていたモモちゃん。。。
きっと、みんなに会えて、うれしかったと思います。。。
私もこれから、四回はさよならを乗り越えなきゃいけないけど、
きっと
さよならの苦しみなんかより、出会えた喜びの方がはるかに大きいから…
ずっと友達ですよね。
ずっと、ずっと、
お互いが死んでしまって、記憶のかけらもなくなってしまっても、
きっと、心は繋がっている。

投稿: 石丸徳馬 | 2009年6月29日 (月) 11:57

とても残念でしたね。 その命、未来永劫続いてくれればと、誰もが思ったことでしょう。

お別れは悲しく、そして寂しいものですが、虹の橋で元気にしっぽを振って待っていてくれます。

それまで、ずっと先のことでしょうけど、きっとまた会えます。

合掌

投稿: 無芸大食 | 2009年6月29日 (月) 13:56

そうでしたか。
血液検査の段階でガンだと判らなかったんでしょうね。
本当に残念です。

モモちゃんは、こっちの世界での体を脱いで、いぬの国では元気いっぱい走ってるでしょう。
おかっちょん様、ご報告ありがとうございました。

投稿: タンゴの飼主♂ | 2009年6月29日 (月) 15:48

沢山の人々に見守られて、アジサイに包まれて犬の世界へ旅立ってしまったモモちゃん。きっと幸せな一生だったんでしょう。
辛いのは、残された人間かも知れませんね。でもモモちゃんは、おかみっちょんさん達の思い出の中でずーと生きてますから。
うちも、2年半ほど前に9年間居てくれたにゃんこが、行方不明になってしまいました。名前は、ナナです。あの時は辛かったな、鈴の様な音がすると反応したり、ドリルの音が、猫の声に聞こえたり、ともかく年下なのに先に逝くこれが厳しいんですね。それでもにゃんこに居て欲しい。

投稿: フォワード | 2009年6月29日 (月) 20:54

>ぼの子さま
ありがとうです。後から生まれて先に老いていく。
避けられない現実と頭ではわかってるつもりでも
実際先立たれるととても悲しいです。
でももし一人暮らしのK子ちゃんが先に死んだら
モモはそれこそ路頭に迷うことになるわけだから
自宅で見送って上げられたのはお互いに最高の幸せだと
そう思います。


>石丸徳馬さま
ありがとーです。モモは幸せな子でした。ほんとに。
そしてワタシたちもモモのおかげで幸せでした。
徳馬ちゃんのとこもカワイイ家族がいっぱいだから
幸せな思い出は頭数分できますね。
出会ったことが最高の幸せだもの。
身体がミクロの世界に分解されても魂はずっとずっと
友達のままつながっていけると思います。


>無芸大食さま
ありがとーです。そう。モモはシッポが自慢でした。
くるん!ってキレイに巻いててオケツ穴がいつも丸見え!
そのシッポのおかげで柴犬と間違われてましたよ。
またいつかどこかで会ったら いつものように
ブルンブルン!って振り回してくれると思います。


>タンゴの飼主♂さま
ありがとーです。そうですね、ちょっと心残りです。
なんで血液検査でわからなかったのか・・・
さっちーの主治医の獣医さんにも経緯を説明したら
不信がってましたが もう今更それをほじくり返したところで
モモが帰ってくるワケじゃないし、K子ちゃんが辛いだけなので
ワタシからはもう言わないことにしました。
ただね、モモはさっちーとほぼ同い年なんでね。。。


>フォワードさま
ありがとーです。ナナちゃん。カワイイ名前ですね。
ナナちゃんはフォワードさんが心配しないように
こっそり「ねこのくに」に帰ったのかもしれません。
もしかしたら ウチのアキちゃん・べぇちゃんと
フォワードさんの噂話をしてるかもしれないですね。
箱に入れたアジサイはK子ちゃんちからウチに
里子にきたアジサイの花です。
夏になるとモモはよくこのアジサイの根元に穴を掘って
体を横たえて涼んでたっけ。。。


みなさん。ありがとうございます。
おかげさまで、おかみっちょん だいぶ元気を取り戻しました

投稿: おかみっちょん | 2009年6月30日 (火) 07:33

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