5月30日は『熊家設立記念日』でありまして。
まぁ たまに忘れちゃった年もあったけど、
今年は幸いにも2人とも覚えておりました。
おかみっちょんはお休みの日だったし、
たまにはお外でディナーもねー と思ってたのですが
大熊は夜がダメだし、翌日も朝が早いし ってんで
何かオイシイもの買ってきて家で食べよう。。。(シカタナイ。。)
で、熊が牛のロールケーキを用意してくれた ってワケだったんです。
ところが、その前の晩のことですよ。
帰宅した熊に電話があって。
熊 : タケさん、お店 閉めちゃうんだって・・・・・・・・・・
おかみ : え? なに? 意味わかんないんだけどっ?
熊 : 今月いっぱいだって・・・・・・ (←5月29日のはなし)
おかみ : ぜんっぜん わかんないっっっ!!!!
今までずーーーっとお世話になってきた 神田の日本料理「美登里」。
タケさんは今まで 鬼嫁ちゃんからいただいたブリをさばいてくれたり
熊家の包丁を研いでくれたり、
なにより美味しいお料理を食べさせてくれて
熊は営業時間じゃなくても来て ゴハン食べさせてもらったり
時間つぶしにお茶飲ませてもらったり、
その代わりに ってワケでもないけど 産地でとれたて野菜届けたり
10回目の『熊家設立記念日』Part2 はココだったし。。。。
とにかく とにかく 熊と熊家にとっては大切なお店なんですよっ!!
で、家でしようとしてたお祝いはやめて、タケさんのお店に行くことにしました。
どんなお魚を出してくれるかと思ったのですが いろいろ盛り合わせてくれました。
この切り口はやっぱりプロの包丁の技です。
谷中生姜。食いかけ。
たとえば この生姜にしても こーいう形のはカライとか おいしいとか
食材やお料理の仕方なんかもよく教えてくれました。
カワハギの煮付け。 初めて食べました。
このカワハギは女子で、タマゴたっぷり抱えてましたよ。
煮汁がいい塩梅です。
これももう一生に一度なのかなぁ。。。
冷凍庫の中もカラにしなきゃー って言って出してきたのがトビウオ。
お腹の中のとびっこと和えてあります。
もちろん黒板のメニューにはありません。
あえて言うなら「親子和え」かなー とタケさん。
そのトビウオの羽(ヒレだけど)を唐揚げに。
中骨はウナギの骨のようにちょっと歯ごたえありだけど オイシイ!
羽は食べられるのー? と質問しただけで ほれ! と出してくれました。
もちろん 記念日だって知っても知らなくても
こーいうオマケは いつものことでした。
なめろう。。。。。いつのまにか ササっ と作ってました。
この日は奥の小さな小上がりで
飲みながら将棋をさしてる人、
カウンターにはウワサを聞きつけた常連で
お店は満杯になりました。
なめろうを揚げたもの。 さつまあげっぽい食感。
置いておいた熊の焼酎のボトルがカラになっても
新しいボトルを入れられず 日本酒にしましたが これによく合います。
何でも作るよ~ って言ってくれてたので ちょっと困らせてみようと
ためしに言ってみたら 出てきました。ウナギ。
しかも、干物です。人生初のうなぎの干物。
蒲焼だと白飯が欲しくなるけど これはまさにお酒向き。
白焼きよりも甘みが凝縮されてて とっても美味しかったでした。
これを焼いた焼き台、ついこの前新しくしたばかりなのに。。。。
他のお客さんからアジフライのオーダーが入りました。
大きなアジを丸のまま出して 手際よく開いていきます。
熊はよく牡蠣フライをお昼に食べさせてもらったっけ。。。
タケさんの手の動きにピントがついていけません!
あっという間にアジフライの準備完了。
タケさんは料理が好きなんです。
人に食べてもらうのが好き。
なのに ナゼ お店を閉めちゃうのか。
ここにお店を開いて36年、たしかにいい時期もありました。
最近は神田あたりの企業も 地方に移転したり お客がめっきり少なくなり
この不況で 夜の売り上げは激減。
昼はお弁当を用意してますが 500円ではとうてい食べれない上質なのに
若い人たちは300円レベルの安い店のを買いたがり
それでも 1度食べて タケさんの味にひかれて
夜に訪れる人もなくはないのですが少なくなりました。
宴会の予約のために大きな鯛を仕入れておいても 当日キャンセルされ
一報だけでキャンセル料の申し出も なんのお詫びもなく、
他にも 宴会に「酒は“持込み”でやってもらいたい」などと
平気で失礼をする最近の若いお客どもに
嫌気がさしたのも 閉店の理由のひとつにはあるようです。
物には対価ってのがあって その料理にふさわしい値段ってのがあるんです。
タケさんのお店 決して高いお店じゃありません。
もちろん チェーン店の居酒屋なんかと比べる質じゃありません。
タケさんの腕はたしかなものなんです。
ご本人は修行が足りない、どこかで修行しなおしたい って言ってましたが
こういう店は ほんとに大切なんです。
一緒にお店を手伝ってる姉さん(実姉)も
熊が電話をもらった日の昼に初めて聞いた って言ってましたが
もう何を言っても聞かないってことは 姉さんがだれよりもわかっているので
熊ごときがちょっと暴れても 決心は変わらないことは見てわかりました。
ほんとにさびしいことです。
この日、カウンターは満席。
偶然その日 「久しぶりに来たくなって」 って訪れた人に
お世話になりました って挨拶する姉さんを見てて
おかみっちょんは。。。。。。(´Д`。)
高齢の姉さんが いままでと違う生活のリズムになるのが
とても心配なのですが
タケさんは 少し時間をおいて またどこかでやる気持ちはあるようなので
その日まで 姉さんには元気でいてくださいね と声をかけて
タケさん特製 生姜醤油の焼きおにぎりを17個もお土産に作ってもらって
熊家の宝物「美登里」とお別れしてきた
11回目の記念日だったのでした。
熊家本体に何かあったのではないか!? と
気をもんでくれたみなさん。
こんな感じで 熊家は仲良く平和にやってますからご安心ください。
さっちーも元気です。o(*^▽^*)o